第17章
「それから」秘書はためらいながら言った「会社の株が突然暴落して、時価総額はすでに百億円以上も蒸発しています」
羽沢徳次の体がぐらりと揺れ、倒れそうになった。
これは誰かが彼に報復しているのだ。
そして、その人物は丹羽光世以外に誰がいるというのか?
彼はすぐに天瀬美和子に電話をかけた。
「一体何をしでかしたんだ!?」羽沢徳次は怒鳴った。
電話の向こうで、天瀬美和子の声は恐怖と動揺に満ちていた。
「徳次、わ、私にもわからないわ」
「わからないだと?お前が島宮奈々未を誘拐したことを、丹羽光世はすでに知っているんだぞ!」
「なっ、何だって!?」天瀬美和子の声が急に高くなった。
「...
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